「観葉植物は空気をキレイにしてくれる」って話、一度は聞いたことありますよね。インテリアショップでも「空気清浄効果あり!」なんてPOPを見かけることがあります。でもこれ、実は元をたどるとNASAの宇宙ステーション研究がきっかけなんです。
今回は、NASAの伝説的な研究と、それに対する最新の反論論文を紹介しながら、「観葉植物の空気清浄効果」のリアルなところをお伝えしていきます。
論文が示す「観葉植物と空気の関係」
まず押さえておきたいのが、すべての始まりとなったNASAの研究です。
📝 Wolverton, B.C., Douglas, W.L. & Bounds, K. (1989). Interior Landscape Plants for Indoor Air Pollution Abatement. NASA Technical Report, NASA-TM-108061.
1989年、NASAのウルバートン博士らは宇宙ステーション内の空気浄化を目的に、観葉植物の有害物質除去能力を調べました。密閉チャンバーの中に植物を置いて、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレンといった揮発性有機化合物(VOC)の濃度変化を測定したんです。
結果は驚くべきもので、ポトス、サンセベリア、スパティフィラムなどの一般的な観葉植物が、24時間で最大87%のVOCを除去したというデータが出ました。特に注目されたのは、植物の葉だけでなく、根と土壌中の微生物が大きな役割を果たしているという発見です。
しかし、ここからが面白いんです。2020年に発表されたレビュー論文が、この「常識」にガツンと反論を突きつけました。
📝 Cummings, B.E. & Waring, M.S. (2020). Potted plants do not improve indoor air quality: a review and analysis of reported VOC removal efficiencies. Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology, 30(2), 253-261.
ドレクセル大学のカミングス博士らは、過去に発表された12の研究・196の実験結果を徹底的にレビューしました。そしてたどり着いた結論がこちら。「普通の部屋で観葉植物の空気清浄効果を実感するには、1平方メートルあたり10〜1,000本の植物が必要」というもの。
つまり、6畳の部屋に数百本の植物を置かないと、換気システムと同等の効果は得られないということなんです。NASAの実験は密閉チャンバーという特殊環境だったため、一般的な住居にそのまま当てはめることはできなかったんですね。
ただし、植物にまったく効果がないわけではありません。ハーバード大学の研究チームは、壁面緑化(グリーンウォール)システムを使えば、通常の鉢植えよりも効率的にVOCを除去できるという研究結果を発表しています。
📝 Tu, C., Liu, Y., Wei, J. & Li, J. (2023). Benchmark of plant-based VOCs control effect for indoor air quality: Green wall case in Smith Campus at Harvard University. Science of The Total Environment, 905, 167048.
根に直接空気を送り込む仕組みを使えば、植物の空気浄化能力を大幅に引き上げられるという報告で、今後の室内緑化のヒントになりそうです。
つまりこういうこと
観葉植物に空気清浄効果があるのは事実ですが、普通の部屋に数鉢置いた程度では、体感できるほどの効果は期待しにくいというのが最新研究の結論です。NASAの実験は密閉空間での結果なので、換気のある一般住宅にそのまま適用はできません。ただし、植物にはリラックス効果や湿度調整効果もあるので、「空気清浄だけ」で判断するのはもったいない。心地よい空間づくりのパートナーとして、上手に取り入れるのが正解ですね。
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まとめ
- ✅ NASAの1989年研究で観葉植物のVOC除去能力が実証された
- ✅ ただし密閉チャンバーでの実験であり、一般住宅にそのまま適用は難しい
- ✅ 2020年のレビュー論文では「1㎡あたり10〜1000本必要」と指摘
- ✅ 壁面緑化など新しいアプローチで効率アップの可能性あり
- ✅ リラックス効果や湿度調整も含めて総合的にメリットがある
