カカオフラバノールと脳の関係、研究で何がわかった?
「チョコレートを食べると頭が良くなる」——そんな話を耳にしたことはありませんか?三碧 雑草くんです。今回は、カカオと脳の認知機能に関する研究をひも解いていきます。
カカオフラバノールとは?
カカオにはポリフェノールの一種「フラバノール」が豊富に含まれています。フラバノールは血管の柔軟性を高め、脳への血流を改善する可能性があるとされています。ただし、市販のチョコレートは製造過程でフラバノールが大幅に失われることも多く、含有量には製品差があります。
Columbia大学の介入試験(Brickman 2014)
Brickman AM, et al. (2014). “Enhancing dentate gyrus function with dietary flavanols improves cognition in older adults.” Nature Neuroscience, 17(12), 1798–1803.
コロンビア大学の研究チームは、50〜69歳の健康な成人37名を対象に、3か月間にわたって高フラバノールのカカオ飲料(900mg/日)または低フラバノール飲料を摂取してもらう無作為化試験を実施しました。その結果、高フラバノール群では海馬の歯状回(記憶形成に関わる部位)の血流改善と、一部の認知テストスコアの向上が観察されました。研究チームは「加齢に伴う記憶低下に関連する脳機能の変化が、フラバノールで緩和される可能性がある」と述べています。ただし対象者数が少なく、一般化には慎重な解釈が必要です。
イタリアでの追試(Mastroiacovo 2015)
Mastroiacovo D, et al. (2015). “Cocoa flavanol consumption improves cognitive function, blood pressure, and metabolic profile in elderly at risk: the CoCoA Study.” The American Journal of Clinical Nutrition, 101(3), 538–548.
イタリアの研究グループは、軽度認知機能低下のリスクがある高齢者90名を3グループに分けて8週間の介入試験を行いました。高フラバノール群(993mg/日)は、注意力・処理速度・言語流暢性のテストで低フラバノール群に比べて有意に高いスコアを示しました。また血圧の低下やインスリン抵抗性の改善も観察され、フラバノールが血管経由で脳機能に影響している可能性が示唆されました。
注意点:「食べれば賢くなる」はNG
上記の研究はいずれも「高濃度フラバノール飲料」を使った試験であり、一般的な板チョコを食べることとは異なります。市販チョコの多くは糖分・脂質も多く、過剰摂取はむしろ逆効果になりかねません。「可能性がある」という段階の話として捉えておきましょう。
フラバノール含有量が高いカカオ製品を選ぶなら
フラバノールを意識するなら、カカオ含有率が70%以上のダークチョコレートや、加工度の低いカカオパウダーが一般的に含有量が高いとされています。
まとめ
- カカオフラバノールは脳血流や一部の認知機能に好影響を与える可能性が複数の研究で示されている
- ただし研究は特殊な高濃度飲料を使ったもので、市販チョコとは単純比較できない
- カカオを取り入れるなら、糖分・カロリーとのバランスを意識しながら楽しむのが現実的
脳のためにチョコを楽しむ、というのはあながち夢物語でもないかもしれません。ただし「確実に効く」とは言えないので、あくまで生活の彩りとして取り入れる感覚で。
